無農薬野菜、有機栽培の野菜!と表記されている野菜も多く流通し始めましたが、完全に無農薬か有機栽培したかは、非常に解釈の異なる部分も多いかもしれません。肥料という名の薬とも言えますしね。自分で作るのが一番です。
職業柄、農に関する相談事も多く、農業といかずとも、農に触れたい方が多くいらしゃることが分かります。田舎では耕作放棄地や休耕田といった名の通り耕作していない遊休地が多くあります。
実際に畑を自力でする場合と、他者に任せた方が良い部分を整理しましたので、ぜひ農に関わって、健康的な体と、体が喜ぶ無農薬無化学肥料の野菜を摂取してください!健康的、若返り、夫婦や家族間の会話が弾みます。ご近所づきあいも良好に。
■畑の賃料
畑の賃料が必要ですね。まず地主さんと、畑を貸してくださいと交渉します。適度な面積ではなく、ここからここまで。と下手すれば1反ほどの水田の遊休地を借りることもあります。適当な大きさの畑を借りるのは非常に難しいです。
■貸す方も考えている
ようはこの区画全部貸すから月5千円でええよ。とか、年間2万円でどうですか?という話になるでしょう。中には無料でいいから使ってね。という場合もあります。ここで注意ですね。極端な話をすると仮に東京ドームの広さがある区画を無料で借りることになりました。
■なぜ東京ドームの面積ほどの土地を無料で貸せるか?
嬉しいですね。広大な土地を無料で借りることができました。しかし、東京ドームの面積を耕作(畑)にするにはとてつもない労力を必要とします。実際に耕作すると内野の広さでくたくたになりました。しかし、外野と客席分も借りているんです。借りたからには責任がありますね。
■実は貸す方のメリットが大きい
そうです。耕作面積以上の草刈りがあるんです。東京ドームの面積の区画を貸したから、貸した土地をキレイにするのは借主の責任である。ちゃんと耕作するか、草刈りだけでもしないさいや!!とこうなります。実際に東京ドームの面積を耕作するにはトラクターが必要でしょう。
■面積に対する労力を考えると貸す方が得だと貸主は知ってる。
トラクターを購入してまで畑をするなら、それはもう農業に片足を突っ込んでいます。農を楽しめないんですね。まず楽しむには余力がある程度の面積に留めておく方が無難なんです。地主は労力的に割に合わないことが経験上理解しているので、無料で貸すことにメリットがあります。
■借りる前に考える!収穫した野菜をどうするか?
頑張って東京ドームの面積の内野を耕作して収穫した野菜類がありますね(ちなみに本塁から1塁まで90フィート約27ⅿあるので27×27で729平米です。畳でいうと約400畳!!)現実的どうでしょう?畳1枚分で、トマトなど家族4人で食べきれないほど収穫できますよ。収穫した野菜をご近所に配っても余るほど収穫できます。そんな大きな面積は不必要なんです。
■自分にあった畑の面積は?
シンプルになじみのある言葉がいいと思います。6畳とか8畳とか。平米換算も簡単ですしね。10平米~20平米くらいです。それでも3ⅿ四方、もしくは5m四方の畑になります。植える時期と収穫の時期を考えると十分に収穫できます。
■大きな面積の区画を借りるとかかる道具類の経費がかさむ
10ⅿ四方の区画を借りたしましょう。一見できそうな大きさなんですね。しかし耕作放棄され草がぼうぼうだとしましょう。まず草刈から始まります。草刈り機の値段もピンキリですが安くて1万2千円くらい。それに備品や油代がかさみます。
■抜け落ちがちな道具類の持ち運び
上記のように草刈り機をどうやって運ぶかですね。車があればよいでしょうが、トラックなどが無い場合、下手すれば助手席潰れます。ほかにも鍬や収穫した野菜類を持って帰ることも考えないといけないですね。
■耕作面積と比例して増える労力にも注目
さて、野菜も人間の補助があって、大きく美味しく育てることが可能になります。トマトの支柱にキュウリの支柱。カラスやイノシシなどの鳥獣被害を未然に防ぐためのトタンやネットが必要なんです。面積が増えればそれだけ囲う手間と労力に経費がかさむんですね。
■畑を借りるだけが経費でない
以上のことから畑を無償で借りるということは、ほかの労力が大きいということがわかって頂けたでしょうか?道具は毎回運ぶ必要がありますし、運ぶための車やバイクなどが必要です。耕作面積が増えれば、ネットや支柱も運ぶ必要があります。防草シートの費用もかさみますね。
■簡単に経費計算
〇無料で借りた畑を100平米とする(小さな面積を借りるのは難しいので、限界まで面積を小さくしました)
〇かつ、畑として寸前まで貸主が耕作していたことを前提とする(非常に条件が良いんです)
これらの非常に良い条件で借りた徒歩15分程度で行ける借りた畑を耕作するのに絶対に必要な道具と経費。
●鍬(クワ)畑仕事をするのに欠かせません。土を寄せたり耕すことに使用します。3千円程度。
●防草シート(マルチ)種から、苗から様々な植え方がありますが防草しないとせっかくの種や苗が負けます。規格により異なるが、面積からして1000円程度
●支柱やネット(野菜の補助)トマトやキュウリを植えない!ジャガイモやサツマイモの根菜類を中心に植える方には不要ですが、100平米ジャガイモを植えるためだけに借りる人ですか?必要数にもよるが1000円程度。
●鳥獣被害対策(柵)メッシュの柵を設置したり、電気柵で囲ったり、トタン板で囲ったり様々な防御策がありますが、どれも無料でできません。メッシュで考えると、1枚300円程度で長さが1.8mですから、四方囲むとすると一片6枚×4で24枚=7200円ですね。
●運搬(メッシュなど)どうやって運びますか?近くのホームセンターで購入して、Kトラを借りて運んで、Kトラ返しに行って、また自転車乗っていきますか?Kトラも必要ですね。30万
●肥料ですが、無肥料はやっぱり育ちに限界があります。特に根菜類は顕著。トマトなどは無肥料でも大丈夫ですが、根菜類、また酸性土壌を好まない野菜類などは土壌改良が必須。石灰一つ運ぶにも歩いて運ぶ。っつうのはナンセンスですね。
●水(雨頼み)これが非常に盲点です。水です水。今年の夏のように晴れ間が2週間以上続いたら・・・想像通りですね。水どこからくみますかね?ひねって出ないですよね。ひねる蛇口がないですから。雨水タンクを設置するか、水を汲みに行くかです。どないでしょう。非現実的ですね。
★結局、畑を借りる金額は無料でも、付随する経費と労力に底が知れないんです。畑や田んぼを行っている田舎の人は、軽トラックから耕運機にトラクターにコンバイン。必要な道具をそろえています。
★それは【農】ではなく【農業】をおこなっているから必要なんです。農を楽しむでなく、農業で生活しているから必要なんです。では農を楽しみたい方はどうすれば良いか?簡単です。レンタル農園や市民農園を利用することから始めるんです。
農林水産省全国市民農園リスト平成28年度版より引用
実は全国津々浦々に市民農園、レンタルファームがあるんですね。自分で無料で畑を借りるより、家から近くとか、わざわざ行きたい場所にある貸農園を借りる!といった方が実は簡単で、仲間もできるので、畑にやりがいがでると思います。
■手ぶらで通える。
大事なのは、体一つで行ける畑ですね。最低限の荷物で事足りるという点が大きいです。水分補給のお茶と軽食、軍手に作業着、着替え、帽子などをリュックサックに詰め込んで、鍬や草刈り機やマルチ、運びにくい荷物はもって行く必要がない!!という点をまず挙げて、その先にどれだけ楽しんで農に取り組めるか!?
■聞ける
本やインターネットを介して情報をえれますが、やっぱり人に聞ける環境が良いですね。専門のアドバイザーでなくても、話しを聞いてくれて、分からないことや、工夫に対して助言してくる人が近くにいると安心ですし、畑の野菜類の成長に意欲がわきます。
■ほかの利用者とも同じ意識
慣行農法(農薬、化学肥料)で行っている農園か、無農薬、無化学肥料で行っている農園か。どちらか一歩に統一されていないと、利用者同士の問題が起こります。よかれと思って散布した農薬に対して、無農薬野菜を作っている方は激怒するでしょうし。虫が多い畑に関して、農薬を撒かないからだ!と激怒する慣行農法の方もいます。農薬ありかなしかの共通認識がルールとして確立しているのが望ましいんです。
■利用者以外も気軽に来れる
息子や娘、孫を連れて、畑を見せたくなりますね。そんなときにトイレが設置されている。遊びにくる動機付けとしてイベント開催されている。手洗い場なども整備されている。など、自分以外も誘いたくなるようなレンタルファームを借りることで、家族も友人もご近所さんも幸せになるんじゃないでしょうか。
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